マンション管理組合と収益課税

マンション管理組合と税務申告

1.なぜ、税務申告を行う必要が?

<国税庁の見解公表前まで>

  • マンション管理組合が行う駐車場業については、課税上の取扱いが不明確であった
  • 税務署に照会をしても、税務署によって回答内容が統一されていなかった

マンション管理組合において、どのように対応していいか判断に難しい状況であった

平成24年2月13日、国税庁公表「マンション管理組合が区分所有者以外の者へのマンション 駐車場の使用を認めた場合の収益事業の判定について」

  • 駐車場の外部使用について3つのケースを用い、それぞれ収益事業に該当するか否かが示された
  • マンション管理組合が行う収益事業に対し、税務当局は課税強化へ

マンション管理組合

  • 法人税法上は、人格のない社団等に該当する
  • 収益事業を営む場合に限り、その収益事業から生じた所得に対してのみ納税義務が生じる

2.マンション管理組合と収益事業

収益事業とは

  • 販売業、製造業その他の事業(34業種)
  • 継続して行われるもの
  • 事業場を設けて行われるもの

販売業、製造業その他の事業(34業種)

3.駐車場収入と収益事業の分類・判定

全部収益事業

非区分所有者の使用のみならず、区分所有者の使用を含めた駐車場使用のすべてが収益事業に該当

課税対象・・・内部、外部

一部収益事業

区分所有者の使用は共済的な事業(非収益事業)、余剰スペースを利用した事業のみが収益事業に該当

課税対象・・・外部

全部非収益事業

臨時的かつ短期的な非区分所有者の使用は、区分所有者を対象とした共済的な事業(非収益事業)の付随行為に該当

課税対象・・・なし

収益事業判定フローチャート

「区分所有者」とは (注1)

区分所有者とは区分所有権を有する者をいう
なお、非区分所有者とは上記以外の者を指す

「規約上、区分所有者が優先」とは (注2)

規約上、区分所有者が優先される場合とは、管理規約または駐車場使用細則等において、区分所有者が非区分所有者に優先する規定を設けている場合等をいう

4.収益事業と関連経費

マンション管理組合において収益事業と非収益事業を行っている場合、区分経理を行う必要がある

事業の種類ごとに、収入と経費の対応関係を明確にする

【具体例】駐車場一部収益事業のケース

5.税額算出の仕組み

法人税の実務

税目:法人税、住民税、事業税
<試算>課税所得100万円のケース
【法人税】 165千円
【都民税】 95.9千円
【事業税】 48.8千円
【合計】 309.7千円

(平成25年4月現在、東京都23区内標準税率の場合。法人税には復興特別法人税含む)

税目:消費税

収益事業を行っている場合、基準期間(前々事業年度)の課税売上高が1000万円超の場合には課税事業者に該当(平成25年1月1日以後開始事業年度については、前事業年度開始の日以後6ヶ月間の課税売上高が1,000万円超の場合にも課税事業者に該当。なお、この判定は課税売上高に代えて給与等支払額の合計額によることも可能。)

<参考税率(H25/4現在、東京23区内所在の組合のケース)>
税率
【法人税】 課税所得 800万円以下 16.5%
800万円超 28.05%
【都民税】 法人税割 法人税額×税率 17.3%
均等割 7万円
【事業税】 所得割 課税所得 400万円以下 2.7%
課税所得 400万円超800万円以下 4.0%
課税所得 800万円超 5.3%
地方法人特別税 所得割額×税率 81.0%

(法人税率には復興特別法人税率を含む)

過年度分の申告・納税

過年度において収益事業を行っていた場合、遡って申告・納税をする必要がある
(注)国税及び地方税の徴収権に係る消滅時効は5年

<参考:収益事業を行っているのに申告していなかった場合の取扱い>
項目 内容 加算税率 備考
延滞税等 法定納期限までに
完納しない場合
納期限の翌日から2月を経過する日まで
・・・原則年「7.3%」
(注)納期限の翌日から2月を経過した日以後
・・・年「14.6%」
無申告加算税 税務調査を受ける前に、
自主的に期限後申告をした場合
5% 正当な理由があると認められる場合も同様
税務調査で指摘され
期限後申告をした場合
15% 納税額のうち、50万円までの部分
20% 納税額のうち、50万円を超える部分

6.今後の申告・納税スケジュール

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収益事業を実施されているマンション関係者の方はお読みください

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